指の腱鞘炎

腱鞘炎とは、指の屈筋腱を包む腱鞘が炎症を起こし、指の屈曲や伸展が痛みを伴う疾患です。

症状

□指の屈曲や伸展が痛みを伴う。

□指の基部に痛みや腫れが生じる。

□指の屈曲や伸展が制限される。

□指の基部にクリック音が生じる。

上記の症状がある方は、以下の原因があるか検討してみてください！

原因

1) 過度の使用や反復運動：指の屈筋腱を繰り返し使用することにより、腱鞘が炎症を起こす

2) 外傷：指の外傷や打撲により、腱鞘が損傷し、炎症を起こす

3) 代謝性疾患：糖尿病、甲状腺機能亢進症、痛風など代謝性疾患が指の腱鞘炎の原因となる

4) リウマチ性疾患：リウマチ性多発筋痛症、関節リウマチなどリウマチ性疾患が指の腱鞘炎の原因となる

リウマチ性疾患と指の腱鞘炎の鑑別

症状の分布：リウマチ性疾患では、多くの関節に症状が生じるが、指の腱鞘炎では、特定の指に症状が生じる。

症状の性質：リウマチ性疾では、関節の炎症が主症状であるが、指の腱鞘炎では、腱鞘の炎症が主症状である。

検査所見：リウマチ性疾患では、血液検査でリウマチ因子や抗CCP抗体が陽性となるが、指の腱鞘炎では、血液検査で異常は生じない。（病院での血液検査が必要になります。）

他の疾患との鑑別

骨折や脱臼：指の外傷後に生じる痛みや腫れは、骨折や脱臼の可能性もある。

感染性腱鞘炎：指の腱鞘に感染が生じた場合、指の腱鞘炎と同様の症状が生じる。

ガングリオン：指の基部に生じるガングリオンは、指の腱鞘炎と同様の症状が生じる。

治療法

安静と冷却：指の使用を制限し、冷却を施行する。炎症が強い場合は指の付け根のアイシングが有効です。朝方にこわばる、しびれや冷感がある場合はあっためることも有効です。

症状に合わせて必要な対応は変わってきますので不安な場合はご相談ください。

（病院や整形外科での治療）

非ステロイド性抗炎症薬：非ステロイド性抗炎症薬を内服する。

ステロイド注射：指の腱鞘にステロイドを注射する。

手術：重症の指の腱鞘炎

指のこわばりが冬に多い理由

低温の影響: 冬の低温は、血管を収縮させ、血流を減少させる。指の血流が減少すると、指の屈筋腱や腱鞘の血液供給が減少し、こわばりや痛みが生じる。

湿度の低下: 冬の空気は、乾燥し、湿度が低下する。皮膚や粘膜の乾燥は、指の屈筋腱や腱鞘の潤滑性を低下させ、こわばりや痛みが生じる。

運動量の減少: 冬は、運動量が減少する季節である。指の屈筋腱や腱鞘は、運動量が減少すると、こわばりや痛みが生じる。

ビタミンDの低下: 冬は、日照時間が短く、ビタミンDの生成が減少する。ビタミンDは、骨や関節の健康に重要な栄養素であり、低下すると、指のこわばりや痛みが生じる。

ホルモンの変化: 冬は、ホルモンの変化が生じる季節である。女性のホルモンの変化は、指のこわばりや痛みを生じる。

年齢の影響: 年齢が高くなるにつれ、指の屈筋腱や腱鞘の弾力性が低下し、こわばりや痛みが生じる。冬の低温や湿度の低下は、年齢による変化を悪化させる。

痛みのない範囲で、手指や手首のストレッチ、お風呂にしっかり浸かり血流を改善させることも有効です。指の痛みでお困りの方は一度ご相談ください！